わーい 読書読書~~!! なんとなくファンタジーに関係あるかな? 面白そうだなーと思って数か月前に買ったおいた本をとりあえず一気読み。いきなりこんな本かよ……
面白かったです(作文)
「恐怖の表象:映画/文学における<竜殺し>の文化史」 西山智則・著(彩流社)
厳密にいうとファンタジーにおける竜殺しというより、怪奇やゴシック寄りかと。
標題通り現代社会における映画、文学の中で語られる(あるいは騙られる)、竜に仮託された恐怖、ジェンダー、隠された欲望、あるいはテロや戦争、原爆といった事象を幅広く扱っている非常にエキサイティングな文化論でした。安保で揉めている時期にリアルに書かれたらしくそこら辺の著者の主張が出てくる所もあったりしますが、まあまあ。
目次を観ただけでも、エドガー・アラン・ポーにブラム・ストーカー、はてまたメルヴィルまで、私の好きな作家の名前がずらり!
私の好みはさておき!
でも一番震え上がったのは「リング」における貞子論と、ベトナム戦争論のあたりですかね……。ぐわあ……なるほど…。。そう観るべきだったのかああ……なかなかショッキングな内容ともいえるかも。
ざっくり云えば、アメリカには神話がない、だから自らの”建国神話”をハリウッド製映画のスクリーンによって映しだし、あるいは隠蔽(スクリーン)してきたのだとのこと。
特筆すべきは当然の成り行きとしてゴジラネタも載ってることです。なんたるタイムリー!
しかもそこの論考は私の愛する「白鯨」や「ジョーズ」(別にジョーズ愛好家ではないがw)と共に論じられています。
本書が出た当時
(つっても今年の五月なんですが)、当然ながら「シン・ゴジラ」は未公開でございました。
この著者があれを見てどう思ったのか、最新の論考を是非聞いてみたいと思いました。
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2016/08/29
読書した本